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採光のための開口部を設けることを要しない居室について [■お仕事]

現在進めている案件で「防音室」を計画しておりまして、
クライアントさんから「窓はいらない。スタジオレベルの防音室が欲しい」とのご要望を頂きましたので、
備忘録及び、ブログ閲覧数UPのために記事化しておきます(笑)

 

建築の基本的な法律のひとつに「居室」と呼ばれる室には採光のための窓(開口部)が必要というものがあります。
住宅のリビングや洋室では部屋面積の1/7、学校の教室では1/5以上の採光有効面積が必要などの規定が
建築基準法第28条にあります。

そこで、 冒頭の『窓の無い防音室』 これが可能なのかとお話になるのですが、結論からいうと条件付で可能です。


「ただし書」と呼ばれる、法文の最後に「ただし、○○についてはこの限りではない」 というのが法文にあるのですが、
この28条にもそれがあり、その○○、例外に当てはまるためできるということなのです。
もちろん無条件というわけはなく、部屋面積の1/20の機械換気が必要で、
さらにはその部屋を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料でつくればよいとなってます。

最初の機械換気はクリアできても、次の区画の一文を見ると、木造ではほぼ無理ということになります。

というわけで、現在進めている案件の「無窓の防音室」は木造では不可能なので、
その部分だけでも鉄骨造、またはRC造にしなければとなったのですが、
相談の結果、あっさり窓をつけることに(>_<)

ま、コストを考えれば当然の結果です。

というわけで、木造で「窓の無い防音室」はほぼ無理だよというお話でした。
この記事が誰かの役に立てれば幸いです^^

加門建築設計室


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浜松自宅カフェ

なるほどー!
私ならどういう提案をするかな?と思って拝見しました。
一つの選択肢としてアビテックスなど「防音室」は検討
されましたよね?
ルーム・イン・ルームは固体伝播音を遮断できますし、
フリースタイルと言うのもあります。

2つめの選択肢として、木造の室内面する部分に質量の大きな
材料で覆うことです。
例えば、コンクリートブロックやレンガを積み上げると言う
もので、レンガの内装仕上げにするとニューヨークのスタジオ
風になったりしませんか?(←あくまでイメージです)

都内にスタジオを構えるあるプロのレコーディングエンジニア
が木造で千葉に作った録音用スタジオに少しだけ携わらせて
いただいた時のアイディアですけどね。
ただ、鉛直方向の遮音が難しいですから、居室を持ってこない
とか、天井にダンパーを入れるとかは必要になります。
また、遮音ばかりだと残響時間が長くなりとても演奏などして
いられない音響空間になりますから、積極的に吸音と散乱を
してあげる必要がありますよ。
by 浜松自宅カフェ (2013-06-19 09:20) 

plusgate

・浜自カフェさん
 まだ防音仕様の検討までは進んでないんですよ。
 プラン段階ですので、より詳細に進んだら、いずれ相談するつもりでした^^
 貴重なアドバイスありがとうございます^^
・xml_xslさん、心如さん、HAtAさん、toyoさん、
 niceありがとうございます。
by plusgate (2013-06-19 12:56) 

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