住宅版エコポイント 新築の場合 続編 [ ・住宅版エコポイント]
2月の記事『住宅版エコポイント 新築の場合』の続編です。
(そもそも内容がよくわからないという方は、前回の記事をご確認ください)
前回の記事で、
【仕様規定】と【性能規定】について、手法や考え方の違いを述べましたが、
今回は、具体例で【仕様規定】と【性能規定(Q値)】の違いについて記します。
※窓は、全て金属製サッシ・空気層12mmのペアガラスです。
(仕様規定でも、Ⅳ地域では庇やブラインドがあれば、low-eガラスは採用しなくてもOKです。
結構勘違いしている人が多いみたいですね~ 僕も最初はそう思ってました・・・)
木造2階建 延床面積138㎡(建物気積347㎥)の住宅の場合、
次世代省エネ基準(省エネ等級4)を満たす仕様は
【仕様規定】 床:GW16k100mm 壁:GW16k100mm 屋根:GW16k210mm
窓:庇又はブラインドが必須
【性能規定】 床:GW16k 50mm 壁 GW10k100mm 屋根 GW16k 50mm
窓:居室のみレースカーテン
上記の【性能規定】の仕様でQ値2.68です。
Q値2.70以下(Ⅳ地域)が条件ですので、ギリギリですが、
次世代省エネ基準(省エネ等級4)を満たす住宅となります。
床は厚さが半分、壁は16kが10kに。そして屋根は厚さを1/4以下に抑えることができ、
(実際には屋根はもう少し仕様は変えたほうが良いかと思います)
【性能規定】の計算により、次世代省エネとする場合は、
かなりコストダウンができるという結果となりました。
ちなみに【仕様規定】の断熱材でのQ値計算結果は2.43でした。
他にも5件計算しましたが、
そのうち1件だけ、【仕様規定】では次世代省エネ基準とみなされる仕様でQ値が3.26となり、
【性能規定】では次世代省エネ基準を満たさないプランがありました。
次世代省エネ基準は、Q値が2.7以下が条件ですから、本来の意味では矛盾していますが、
この場合は【仕様規定】で考えれば、エコポイント対象住宅になるということです。
<まとめ>
エコポイント対象住宅とすることが目的であれば、
ほとんどの住宅で【性能規定】による計算でコストダウンが可能。
ただし、プランによってはそうならないこともあるため、その場合は【仕様規定】の選択もありえる。
どちらにしても、【性能規定】による計算をすることが望ましい。
他にも『トップランナー基準』を採用する場合でも、実はこのQ値を求めた方が有利であったり、
Q値を下げる方法は、断熱材を厚くしたり、窓を小さくしたりするだけでなく、
実は色んな方法があるので、もっと書きたいところですが、ブログではここまでにしておきます。
どうしても詳しく聞きたい方やお悩みの建築関係者さんはHPよりご連絡ください。
多少、お力になれると思います。
過去に、Q値2.0以下が条件の住宅を設計したことがあり、
その際には何百万円ものコストUPになってましたが、
メーカーのうたい文句にまんまと騙されていたことがよくわかりました。
これを読まれた方は、決して何百万円もの追加は必要ないということだけでも
わかってもらえれば幸いです。
【おまけ】
本来、屋上緑化や壁面緑化は、エコポイント対象になるべき要素だと思うんですが、
今のところ、全く関係ないようです・・・
↓クリックお願いします
『仕様規定』と『性能規定』の比較が良いですね!
早速、plusさんから聞いた断熱材の価格差を営業に教えたら、
驚いていました(笑)
「やっぱそうなんだ~!」と。
僕もソフト買おうかと思ってしまったりしていますが、技術基準の解説書を
読むと表計算で解くケーススタディがありましたから、時間に余裕がある
物件で一回手計算をやってみれば考え方が理解できるでしょうね。
(かなり面倒なのでやるかどうかはわかりませんが・・・w)
by 浜松自宅カフェ (2010-05-27 10:28)
●浜自カフェさん
ある程度理解している人なら、驚かれると思います。
>僕もソフト買おうかと思ってしまったりしていますが、
あっ、やっぱり(笑)
by plusgate (2010-05-27 14:56)